遺骨と遺骨ではない状態の線引き 遺骨のダイヤは遺骨なのか?


「先日、友人の僧職と世間話をしていた折、ちょっと大事な話が出たので記録しておきます。墓埋法に関する質疑応答です。

僧職「知人でペット供養を職業にしている者がいる。彼が遺骨(人間)の加工に関して次のような見解を述べていた。”セラミック化するなど再処理・加工された遺骨は墓埋法の規制の対象外である。従って、加工後の使用・設置・販売・譲渡・廃棄に至るまで、何ら法の制限を受けるものではない”。彼はこの点から某かのビジネスに結びつけたいようであるが、この法解釈をどのように思うか」

私「現時点においては身勝手な解釈だと私は思います。確かに墓埋法は遺骨の再加工及び加工品の取り扱いについて定めてはいませんし、私も『散骨の法的課題』の中などで”認識できない状態に加工された遺骨は法的制限を受けないのだろうか?”と問題提起をしたこともあります。しかし、これは墓埋法の各条について時代に即しさらに的確に明文化するべきだという問題提起であって、実は墓埋法全体を見ればこの問題にはごく妥当な解が存在していることは明らかです。

というのも、墓埋法に限らずあらゆる法律は、それを扱う際にその各条の文言をただ読んで物事の可否を判断するべきようなものではなく、その法律全体の制定目的を大前提とし、その趣旨に沿った解釈を行わなければならないからです。墓埋法で言えば第一条にある『…国民の宗教的感情に適合し、且つ公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく行われること…』という目的を無視して、以下の各条を解釈してはいけないのです。」

http://ccfi.jp/contents/pre/sannkotu.html(※リンク切れ)


散骨に関することを調べていましたら、上のサイトがヒットしました。

これはなかなか気づかなかった盲点ですね。
もちろん、遺骨の加工に関しては知っていました。しかし、それをさらに何かに利用するということには、思いがいたりませんでした。


ヤフー知恵袋でもときどき話題になり、このブログでも取り上げたのが「自分の家の庭にお墓を作ってもよいか?」というものです。

関連 自宅の庭にお墓を建てていいのか?
    自宅の庭に納骨施設


これはなにも商用的に、お墓をつくるというのではなく、お墓を遠方につくるとお墓参りも大変だし、買うとなるとそれなりに墓地も高いし、できることなら自宅の庭にちょっとしたお墓でもつくれたらなぁ、という感じのものです。

それに対する答えは、概ね「NO」です。
なぜなら、墓埋法により、遺骨は墓地以外に埋蔵・埋葬することが出来ないからです。


と、ここで上の話とつながる訳ですね。

遺骨はいけない、と法律で決められています。
ということは、遺骨でなければかまわないということです。
まぁ、当たり前ですね。

そこで、

遺骨はどの段階になったら遺骨でなくなるのか?

というのがポイントになります。
つまり、加工された遺骨は、まだ遺骨なのか?それとも遺骨の加工物ということで、もう遺骨ではないのか?
という一点が重要になります。

遺骨の加工物が、まだ遺骨であるならば、それは庭先でも埋蔵できません。
しかし、もう遺骨でないならば、それを庭先に埋蔵することは、法律的には可能ということになります。


また、遺骨を土に混ぜ込み、遺骨の含有率を下げ、限りなく陶器に近いものを焼きあげたなら、それは遺骨なのか?どうなのか?
など、この辺りは、まだまだ未開発の議論の余地のある分野かもしれませんね。


近い将来には、自宅の庭に小さなお墓、その中には加工した遺骨…そんな未来が来るかもしれません。


追記記事 遺骨のダイヤ 2

0 件のコメント: