最近のエンディングノートの中には戒名についてリクエストを書く欄があるものがある。そこには「戒名につけたい文字」「戒名のランクの希望」などが書き込めるようになっている。
しかし、仏教の考え方では、戒名をつけるのは僧侶。宗派によって、戒名の構造や使える文字などに決まりもある。本人や遺族の希望を聞くことはあっても最後に決めるのは僧侶の仕事なのだ。
「自分らしい最期を迎える」ためにさまざまな準備をすることは終活にとって大切なこと。しかし、戒名には故人の遺志や遺族の考えでは、どうにもならない部分がある。ゴリ押しするとトラブルになりかねない。遺族が困ってしまうケースも出るだろう。
戒名や布施の値段ほど実態が見えないものはない。教義のうえ、あるいは建前のうえでは「お気持ちで」ということになる。最近になってインターネットでは戒名や布施にかかる実際の値段や目安が各所に露出するようになった。だが、同じランクの戒名の目安でも、数万円と書いてある所もあれば、数十万円を提示している所もある。
遺族の立場からすれば、故人が亡くなって数日しかたっていない悲しみの中で難しい判断を迫られることになる。そして、後悔につながるケースもある。
「位牌・布施」寺とのトラブル多発 値段あいまい、あてにならない見積もり より
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産経新聞出版 (2014-07-11)
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